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  • 自宅で試奏を計画中

    みなさんご無沙汰してます。少しずつ普段の生活が戻りつつありますが、長引くコロナの影響で不安な日々が続いています。週末に楽器屋さんに行っても人がまばらな様子を何度か見かけました。老舗の楽器屋さんがあっけなく閉店しているのも見かけました。子供やギター初心者、学生、バンドマン、マニアなコレクター、様々な人が楽器屋さんにギターを見に行って試奏してる光景が早く戻ってきてほしいと願いますが、まだまだ心配で外出したくない方も多いと思います。そこで、自宅にいながら「試奏」ができるようにできないか。を検討しています。私たちのギターは決して気軽な値段ではないので、やはり実際に弾いてみたいという方のご意見も多数いただきました。こういった状況下でできることを探っていきたいと思っています。また何か進捗ありましたらここに書きます。それではみなさんもお身体、健康に気をつけて。

  • 片田さんとの出会い

    福岡在住のクラフトマン、片田さんと、東京在住の私がなぜ2人でギター販売を始めたか? さかのぼること20年前、私が東京・高円寺にある立ち食いラーメン屋さんに寄った時のこと。 そのラーメン屋さんの前に1台の旧車(ダットサン・ブルーバードスリーエス)が停まっていました。 「あの車かっこいいですね!」 私が話しかけた店員さんが、片田さんでした。 「おー!あれ俺の車だよ。もう売ろうかと思ってさ。いる?」 「え??ほしいです!」 このくらいの短い会話だったと思います。何度か食べに行ったときに顔だけは覚えてくれていたかもしれませんが、ほぼ初対面だった若造の私に優しく接してくれた片田さん。市場価格の半分以下の値段で、しかも分割でもいいと言ってくださいました。 それから、毎月ラーメンを食べに行くごとに少しずつお金を渡しに行って、6ヶ月後に全額を払い終えました。私の手書きの納付証明書に記入していくような形で。今思えば、よく信用してくれたな、と思います。 そこから、私と片田さんのお付き合いが始まりました。 ほどなくして、片田さんは同じ高円寺でBARを始めました。そのBARに飾られていたギターが、今回販売したV1の原型となるギターでした。 「これはどこのギターなんですか?」 「これは俺が作ったんだよ」 「え?売ってるんですか?」 「いや、売ったことはないね。色々な人に売ってと言われるけど、売ろうと思ってなくてね」 それが15年前くらいでしょうか。 その後、片田さんは結婚したと聞いたのですが、離婚したと聞き、震災がきっかけでBARも閉店してしまったと聞き、地元の福岡に単身戻ったと聞き、そこでまたラーメン屋や飲食店を渡り歩いて、海外進出の話もあったが断念したと聞き、、、数年に1度連絡を取り合うような仲で、お互い別々の土地で別々の仕事をしていました。 それから10年ほど時は流れ、2018年、福岡での仕事の折、久しぶりに片田さんに連絡して会うことにしました。そのとき、私がずっと気になっていた「あのギター」を持ってきて欲しい、と無理を言いました。 福岡のPABLIC BAR BASSICというお店で待ち合わせ、あのギターと再び会ったのです。 やっぱり、かっこいい。。。 「片田さん、このギター売った方がいいですよ」 「うん・・・でも、売り方わからないんだよね・・・」 「僕でよければ手伝いますよ」 そこから我々2人の遠距離での販売計画が始まりました。 聞けば、今はコンビニのスイーツを作る工場で働いて生計を立てているとのこと。最初に私に旧車を売ってくれた片田さんのまま「人がいい」性格で、いいこともあれば、うまくいかなかったことも多かったのではないか。おこがましいかもしれないけど、こんないいギターなんだから、売って、世に広められたらいいのに。片田さんが好きな「ギターを作ること」に専念できるようになったらいいのに。そんな気持ちがあって、今までギターを売る業界にいたわけでもない私ですが、お手伝いしようと思いました。 どんな状況であろうと、ギター作りは好きで、ずっとやめなかった片田さん。工具の音で、隣の部屋から苦情が来ないように気にしながら自宅でコツコツ作り続けていた片田さん。この話がすすんで、最近はお知り合いの工場の一角を作業場として提供してもらえたとのこと。また、スイーツ工場の方々も少しずつ応援してくださっているとのこと。 1本でも多く、このギターが売れるように私も頑張らなければ。 そんなこんなのいきさつで、キャラメルズ・ギター・キッチンは始まりました。 どうか、これを読んでくださった皆さんに、このギターブランドのストーリーが少しでも伝わればいいなと思っています。 今後ともどうぞよろしくお願いします。(豆太)

  • こんにちは。初めてのブログ投稿です。

    1人、1人ずつの「好き」を追求したい。 令和になって、情報流通は「企業」ではなく「個人」にシフトしています。SNSにおいては発信者の規模、身分は重要ではなく「個人」の物語、感性が共感を得てゆく。マスメディアの「マス」の効力は薄れ「ニッチ」が重要視されていると思います。 「自分」が何者であるか?何が好きで何が嫌いで、何をしたいかをちゃんと定義して自覚してジャッジして行かなければならない時代になったのだと思います。 でもそれは果たして不幸でしょうか。今まで押し殺してきた何かを解放するチャンスではないか。 企業だ、会社だ、そのあとに個人だ。ではなく、いままさに主語は「個人」。自分の「好き」を「好き」と言える時代。 このたび私は、無名で、その業態に従事したこともない、個人のギター販売の世界に飛び込みました。クラフトマンの片田さんにこのギターを初めて見せてもらったときの感動が忘れられず。 どこにもないこのギターを、どこかに「好き」な人が必ずいる。 情報と人々の興味は細分化され、大ヒットが生まれにくい世の中。一人でも多くの認知を目指すのではなく、知ってくれた人の「好き」にしっかりと届けたい。もしこれを読んでくださったあなたが、このギターを手にして「私は、これ好き」と思ってくれるなら、私は嬉しいです。 株式会社エランツ・ミュージック 代表 根本